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『ヘルプ!』ザ・ビートルズ [音楽の聴き方]

help.jpg

『Help!』The Beatles(1965年)

 1. Help!
 2. The Night Before
 3. You've Got To Hide Your Love Away
 4. I Need You
 5. Another Girl
 6. You're Going To Lose That Girl
 7. Ticket To Ride
 8. Act Naturally
 9. It's Only Love
10. You Like Me Too Much
11. Tell Me What You See
12. I've Just Seen A Face
13. Yesterday
14. Dizzy Miss Lizzy

-------------------------------------------------------------------------

いま、ビートルズのリマスター盤を、
1stアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』から順に、
(ざっと)旧CDと比べながら聴いている。

リマスターということで、どれほど音がよくなってるのか楽しみにしていたのだが、
いきなりちょっと肩すかしを食らった気がした。

というのも『プリーズ・プリーズ・ミー』は、
旧盤の方が音が大きく、迫力もあるように思えたからだ。

確かにリマスター盤は、音質はよくなっていると思うし(レンジが広がった?)、
僕の聴いている環境が、必ずしも音響的に理想的でないのは事実だろう。
(PCからヘッドフォンで聴いている)
きっとそれなりのステレオ・システムで聴けば、
もっと違いが明白で、感動できるのかも知れないが…
今はとりあえず我慢するしかないってことで。

ステレオ盤に関しては、どうしても聴きなれないせいで違和感があるが、
モノでは聴き逃していた音がクリアに聴こえてきて、これはこれで新鮮だったりする。

『ウィズ・ザ・ビートルズ』は、音量的な差異はあまり感じなかったが、
リマスター盤は、旧盤よりも高音のノイズが押さえられ、低音が強調されているようだ。

『ア・ハード・デイズ・ナイト』もそれほど音量に差は感じなかったが、
やはり旧盤の方が迫力ある気がした。
きれいな音=迫力ある音ではないのだ。当たり前か。

『ビートルズ・フォー・セール』あたりになると、
明らかにリマスターの恩恵が感じられるようになる。
もともとの録音技術の向上に加え、音楽性の変化もあるのだろう。
そのフォーキーなサウンドが、みずみずしく豊かに聴こえる。
ただし(これは他のアルバムでも言えることだけど)
モノとステレオではスピード(ピッチ)に差があるのが気になった。
「I'm A Loser」などは表示時間にして8秒も差がある。
これはどういうことだろう?

そして、『ヘルプ!』である。
『ヘルプ!』と『ラバーソウル』は、リマスター・モノラル盤に、
リマスター・ステレオ盤とは別の、ステレオ・ミックス・バージョンが入っているので、
旧盤(ステレオ)、リマスター・モノラル、ステレオ・ミックス、
リマスター・ステレオの4種類を比較することができる。

『ヘルプ!』のリマスター・モノラルは、
(ここへきやっと)旧盤より音量も大きく、迫力を感じた。
ステレオ・ミックスは、旧盤を素直にクリアにし、音量を上げた感じだ。
だがリマスター・ステレオは、さらにリッチなサウンドになっている。
(少々大仰な感じがなくもないが…)

そこで旧盤に戻って聴いてみると…
まるでコンタクトを外したときのように、サウンドがぼやけて聴こえるではないか!
これはちょっとした衝撃でした。
これまで聴いた中では、一番リマスターの効果(音質向上)が感じられるアルバムだ。

実はビートルズのアルバムの中では、
『ヘルプ!』ってそんなに好きなアルバムじゃなかった。
というのも、好きな曲も多いんだけど、いかにも間に合わせ的な気がして。
でも、今回のリマスター盤で『ヘルプ!』が前より好きになった。

改めて『ヘルプ!』を聴いて思うのは、
やはりまだまだ、ジョン優位ということ(あくまで僕の主観ですけど)。

このアルバムでポール「Yesterday」という大名曲をものにするけど、
ジョンに比べたら、まだまだ突き抜けない曲が多い(気がする)。
例外は「I've Just Seen A Face」くらいだろう(これは名曲!)。

「I've Just Seen A Face」The Beatles

ジョージ・ハリスンの2曲も悪くはないが、
ジョンやポールに比べると、1歩も2歩も遅れている感は否めない。

それに引きかえ、ジョンの「Help!」「You've Got To Hide Your Love Away」
「You're Gonna Lose That Girl」「Ticket To Ride」
のきらめき。
オリジナルではないが、「Dizzy Miss Lizzy」での余裕のロックンローラーぶり。

「You're Gonna Lose That Girl」The Beatles

『ア・ハード・デイズ・ナイト』ほどではないにせよ、
『ヘルプ!』もまた、ジョン・レノン色が際立った作品と言えるだろう。


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やっと来た! [音楽の聴き方]

beatles_box.jpg

やっと届きました!ビートルズのBoxセット

最初は買うつもりはなかったんだけど…
一応オリジナルアルバムは全部持ってるし、
今回リマスターされているとはいえ、
僕は旧盤の音に特に不満もなかったので。
それよりは他に聴きたいものもあるし、
稼ぎだって、そんなにあるわけじゃないし。

でも、自分が一番好きなアーチストの作品ぐらい、
同じフォーマットで、つまりは今回のBoxのような形で持っていてもいいかな、
という気持ちもちょっとあって。

で、今回のリマスター盤について特集している雑誌や、
ブログの記事などを読んでいるうちに、
自分もその輪の中に加わりたいというか、
同じ空間を共有したいという思いが、湧き上がってきたわけです。

じゃあステレオ盤はとにかく買おうと決めたんですが、
問題はモノラル盤。これが期間限定だというので、買うなら今しかない。

もともとモノだろうがステレオだろうが、あまりこだわりはなかったんですが、
どうやら初期のアルバムは、モノの方が迫力があっていいらしい、
というような記事を読んだりすると、やっぱりモノも…となってきて。

レコード会社の戦略にまんまと乗せられるようでシャクですが、
ステレオBoxとモノBoxの両方を買ってしまいました…


タグ:ビートルズ
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ベティ・デイヴィス ~かっこいい女性ヴォーカル(2) [音楽の聴き方]

ベティ・デイヴィス ~かっこいい女性ヴォーカル(2)~ 

まずは1枚の写真を。

betty_davis_04.jpg

ベティ・デイヴィスの2ndアルバムThey Say I'm Different』ジャケットである。
う~ん、素晴らしいジャケットだ!
僕はかっこいいと思うんだけど、これってけっこう紙一重かなとも思ったりする。
でも彼女の他に、こんな格好がサマになる人がいるだろうか?

このジャケットのファンキーなイメージそのままに、
彼女の作り出すサウンドも、濃厚なファンク・ロックの洪水だ。

モデルでもあり、マイルス・デイヴィスの妻でもあったベティ。
もし彼女が夫にジミ・ヘンドリックスを教えなかったら、
のちの音楽シーンは大きく変わっていたかもしれない。
(音楽の進化はもっと緩やかだったかもしれない)
そういう意味では、彼女の果たした役割は極めて重要である。

しかし、そんな肩書きや経歴は、むしろ彼女の音楽にとっては邪魔でしかないだろう。
僕は彼女の1stと2ndしか持ってないが、これがとにかくかっこいい!

しかも全曲の作詞作曲、編曲を彼女自身が手がけ、
また2ndアルバム以降は、プロデュースまでしてしまうという才女ぶり。

驚くのは、見た目の美しさからは想像もつかない、
獰猛なヴォーカルだ(それは僕に豹を連想させる)。
彼女の歌う映像がどこかにないか探したけど、見つからず。

動く映像がないのは残念ですが、1st『Betty Davis(1973)から2曲、
2nd『They Say I'm Different』(1974)から2曲みつくろってみました。

 

「Anti Love Song」Betty Davis

 

「If I'm In Luck I Might Get Picked Up」Betty Davis

 

「They Say I'm Different」Betty Davis


「Don't Call Her No Tramp」Betty Davis


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デラニー&ボニー ~かっこいい女性ヴォーカル~  [音楽の聴き方]

以前、最もかっこいい女性ヴォーカリストはティナ・ターナーだと書いたが、
この人もかなりかっこいい。
デラニー&ボニーボニー・ブラムレット
そういえば、どちらも夫婦で一緒にやってますね。

こちらは白人だが、R&Bの名門スタックス・レーベルが契約した、
初の白人アーティストということからも分かるように、
実に黒っぽいフィーリングを持っている。

「When The Battle Is Over」Delaney & Bonnie

ボニーのハスキーヴォイスがたまりませんね~。
旦那の方も色気のある歌いっぷりがいい。
何と言っても、曲がかっこいいです。
フェードインしてくるイントロ、たたみかけるようなドラムのフィルなど…

「Sleep Well My Friend 」Delaney & Bonnie

ファンキーな髪型に丸いサングラスがいかしてる。
画面右端、ジョージ・ハリスンエリック・クラプトンを従者のように従える
デラニー&ボニーの吸引力。背後にあるアメリカ音楽の深さを感じさせます。

「Poor Elijah」Delaney & Bonnie

D&Bにクラプトン、デイヴ・メイスンボビー・ウィットロックという面々による
アコースティック・セット。う〜ん、素晴らしい!

「Getting To Know You So Well」Delaney & Bonnie

この頃はまだスリムだったのに…

「Groupie(Superstar)」Delaney & Bonnie

カーペンターズのカヴァーで知られる「Superstar」
オリジナルは彼ら。


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加藤和彦 [音楽の聴き方]

偉大な音楽家がこの世を去った。

素朴で美しいメロディと、人を食ったようなユーモア、
粋なたたずまいに、秘めた反骨精神というのが、
彼に対する僕のイメージでした。

大学在学中に、ザ・フォーク・クルセダースとしてデビュー
「帰ってきたヨッパライ」は、誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。
テープの回転数を上げたボーカルは、「オラは死んじまっただ」という歌詞とともに、
一度耳にしたら忘れられないインパクトがある。
エンディングでは、お経がビートルズ「A Hard Day's Night」
変わっていくなど、遊び心満載。
280万枚も売れたというんだから凄い。

「帰ってきたヨッパライ」 ザ・フォーク・クルセダース

北朝鮮の歌をアレンジした「イムジン河」は、
2ndシングルとして用意されていながら、
政治的な理由で発売中止となった、いわく付きの曲。
映画「パッチギ」での使用が記憶に新しいところ。

「イムジン河」ザ・フォーク・クルセダース

その「イムジン河」の譜面を逆にたどっていって、思いついたというのが、
「悲しくてやりきれない」。言ってみれば「イムジン河」の生まれ変わり。

そこには、「イムジン河」の発売中止に対する、
ある種の抗議的な意味もあったんじゃないかと思う。

タイトルも「悲しくてやりきれない」って、そのままだし。
音楽家らしく、何ともスマートで、痛快な抗議の仕方ではないだろうか。

「悲しくてやりきれない」 ザ・フォーク・クルセダース

「あの素晴しい愛をもう一度」は、
僕が学生の頃から、すでに音楽の教科書に載ってたような気がする。
途中転調するところが好きです。

「あの素晴しい愛をもう一度」 加藤和彦/北山修

その後サディスティック・ミカ・バンドを結成。
このあいだ記事にしたばかりですが、彼らの2ndアルバム『黒船』は、
僕が邦楽で最も好きなアルバムです。


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BOX買っちゃいました! [音楽の聴き方]

BOX買っちゃいました!
…といっても、ビートルズじゃなく、ペドロ&カプリシャス
ビートルズも予約してるんですが、注文が遅かったせいか、
入荷遅延で、いまだ入手できてません…

あ、ちょっと、そこのあなた!
逃げないで最後まで読んでって…
ああ、行っちゃった…

GIFT BOX」Pedro & Capricious (2006)pedro.jpg

ペドロ&カプリシャスって名前は昔から知っていたけど、
僕の中では懐メロというか、親父が聴くような音楽だというイメージがあって、
最近まで、ちゃんと聴いたことなかったんです。

阿久悠が亡くなったとき、彼らの「ジョニーへの伝言」「五番街のマリー」
テレビでよく流れていて、まず思ったのは…きれいな女性だなと。
顔に似合わず、大人びた歌い方で、しかも上手いでしょ。誰なんだと。

「ジョニーへの伝言」

まさかこのお姉さんが、「桃色吐息」高橋真梨子だとは気づきませんでした。
だって名前も違うし(当時は「高橋まり」)。

それだけだったら、そこで終わってたかもしれないけど、
ちょうど昔の歌謡曲とかフォークに興味があったときで、
曲が耳にひっかかったんですね。

「五番街のマリー」はオーソドックスな感じだけど、
「ジョニーへの伝言」は、なんか普通の歌謡曲じゃないというか、
何か "たくらみ" があるなという気がして。
とくに“2時間待ってたと”のところとか。

でとりあえず、レンタル屋で唯一置いてあったベストを借りたんですが、
ベストだけあって、まあいい曲がたくさん入ってて。

ラテン・ロック的な「陽かげりの街」なんか普通にかっこいいし。

「別れの朝/陽かげりの街」

他にも聴いてみたいと思って、昔のオリジナル盤を探したんですが、
現在は廃盤か、CD化すらされてないみたい…

そこでこのBOXの存在を知り、思わず買ってしまいました。
8400円のところ、HMVのマルチバイ価格適用で6720円でゲット。
4枚組で81曲というボリュームは、なかなかお買い得かなと。

バージョン違いとかまでは分かりませんが、
たとえば、『華麗なるニューポップスの世界』『ワンス・アゲイン』
『ポピュラー・ルネッサンス』『夜の紅茶』『タロットカード』
からは全曲、
『夜明けの匂い』「思い出のグリーングラスを除く全曲。
『摩天楼』からは「ミコニスの男と女」「夜汽車にて」「季節風」を除く
全曲が入ってるようです。

ボーカルは高橋まり。
ちなみに、高橋は2代目ボーカルで、初代は前野曜子
3代目は現在も続いている松平直子

オリジナルもさることながら、約半分を占める洋楽のカヴァーがいい!
映画音楽からジャズ、ポップス、ロックまで幅広く歌いこなす、
高橋の歌が素晴らしい!!

「センチメンタル・ジャーニー/きみの友だち 」

「センチメンタル・ジャーニー」なんか、同じ人とは思えません。
言われなければ、多分外人が歌ってると思ったんじゃないでしょうか。
かすれ具合といい、貫禄たっぷり。

「ミッシェル/テネシー・ワルツ 」

これも、まるきり歌い方が違いますね。
ビートルスでは「イエスタデイ」もやってます。

「ジャンバラヤ/慕情」

カーペンターズでは他にも「スーパー・スター」「イエスタデイ・ワンス・モア」
をやってますが、いずれもカレンっぽく歌ってます。
囁くように歌う「慕情」のコケティッシュな感じもいい。

しかし、いろんな声色持ってますなあ。

ほかに、スティーヴィー・ワンダー「迷信」
サンタナブラックマジック・ウーマン」なんかもやってます。

それにしても、彼らのオリジナル・アルバムがCDで手に入らないというのは、
どうなんでしょうか。
これは文化遺産として登録すべきですよ!


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ドゥービー・ブラザーズ/デレク・トラックス・バンド [音楽の聴き方]

きのう東京国際フォーラムに
ドゥービー・ブラザーズデレク・トラックス・バンドのライブを観に行ってきた。
僕のお目当てはデレク・トラックス・バンド。
デレク・トラックスは何といっても、いま一番注目しているギタリストだ。

デレクのプレイは掛け値なしに素晴らしく、
それだけでも十分行ったかいはあった。
もっとも映像では何度も観ているので、
そのプレイに疑いはこれっぽっちも抱いてなかったけど。

ただPA面では不満も少し。
ギターの音を際立たせるのは嬉しいんだけど、ちょっとデカ過ぎかなというのと、
全体にハイゲインで、つぶれたようなサウンドが気になったこと。
音質に関しては大きな会場なので、難しい面はあるだろうけど…

あとは、席が後ろの方だったので、
こじんまりとして、あまり動きのないステージはちょっとしんどかった。
ぜいたくいえば、小さいハコで観たかったなぁ。

でも繰り返すけど、演奏は最高だった。

「Sahib Teri Bandi/Maki Madni」Derek Trucks Band  

続いて登場したドゥービー・ブラザーズは、
もともと自分の中ではオマケのような感じだったけど、
会場の盛り上がりは違った。

いきなり総立ちで手拍子。
僕は座ってじっくり観たかったんだけど、そうはさせてくれない。

チャイナグローブロング・トレイン・ランニングなどではサビを大合唱。
その人気ぶりを感じたが、これじゃデレク・トラックスは単なる前座じゃないかと、
ちょっと可哀想にもなった。

しかし僕はドゥービーも嫌いじゃない。
初期の頃の、CSN&Yを思わせるサウンドは、かなり好きだし、
ソウル期(?)の「ホワット・ア・フール・ビリーブス」なんかもいい。

僕が好きな曲はあまりやってくれなかったけど、
気楽に、理屈抜きで楽しめた。

ダブル・ドラムにトリプル・リード・ギター。
4人がリード・ボーカルをとり、コーラスもばっちり決めてくれる。
とりたてて、派手に動き回るという訳ではないけど、
フロントに4人が並んでハモるさまは、なかなか圧巻だ。

デレク・トラックスとはまた、楽しむポイントが違うので、
音の悪さは、すっかりどこかに棚上げされてしまった。

Long Train Runnin」The Doobie Brothers

↑いまのメンツとは大分違うけど、こっちのヴァージョンもいい!


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『GODIEGO 新創世記』ゴダイゴ [音楽の聴き方]

godiego.jpg

『GODIEGO 新創世記』ゴダイゴ(1976)

1 想い出を君に託そう/If You Are Passing By That Way
2 イエロー・センター・ライン/Yellow Center Line
3 マジック・ペインティング/Magic Painting
4 憩いのひととき/It's Good To Be Home Again
5 僕のサラダガール/Salad Girl
6 組曲:新創世紀/Suite: Genesis
(1)誕生/Creation
(2)女王の唄/Queen's Song
(3)恋する男の嘆き/Lover's Lament(Sacrificial Blues)
(4)母と子/Mother And Son
(5)男たちの凱歌/The Huddle
(6)釈迦の歌/Buddha's Song

-------------------------------------------------------------------------

■ジャパニーズ・プログレッシブ・ロックの傑作!

ゴダイゴのデビュー作にして、全編英語詞、そしてB面は組曲という意欲作。

それまで「ガンダーラ」「銀河鉄道999」などのヒット曲しか知らなかった僕にとって、
プログレッシブ・ロックの薫り漂う本作は、嬉しい驚きだった。

もともとタケカワユキヒデの2ndソロ・アルバムとして制作されていたこともあり、
全曲タケカワの作曲、リードボーカル。そのせいか、サウンドの方向性は明確で、
彼らの作品中でも随一のまとまりを持ったアルバムではないかと思う。

一般的には次作『Dead End』の評価が高いようだけど、僕はこっちの方が好き。

物語の始まりを予感させるような、オープニングから一気に引き込まれる
T-1「If You Are Passing By That Way」

怪しげな雰囲気のT-3「Magic Painting」は、
ビートルズ「Being For The Benefit Of Mr. Kite!」を思い起こさせる。

ボーカルのハーモニーとアコギ(石川鷹彦)の響きが心地いい、
T-4「It's Good To Be Home Again」 …どの曲もいい。

しいて言えば、デビュー曲でCMソングにもなった、
キャッチーな「Salad Girl」を入れる必要はあったのか、とも思うが、
その振り幅の広さがゴダイゴの魅力でもあり、
また結果として、アルバムがマニアックになりすぎるのを防いでいると、
そこは前向きに捉えることにしよう…

■こんなに歌うまかったっけ!?

タケカワユキヒデは、けっして歌唱力が売りのボーカリストではない(ですよね?)。
ピッチが不安定だったり、独特の抑揚が曲にハマってないときなどは、
聴いていてちょっとつらくなることもある。

それでも、僕はこの人の優しく心の琴線を揺さぶるような声が好きだし、
ゴダイゴはやっぱりこの人の声でなきゃダメだという気がする。

でもこの1stアルバムでは、そんなことを感じさせないほど見事にハマっている。
タケカワの歌い方も、以降の作品とはあきらかに違って聞こえ、
それほどアクもなく素直で、丁寧に歌い上げる印象。
それでいて、ロックの熱い魂を感じさせたりもする。

「Lover's Lament(Sacrificial Blues) 」におけるソウルフルな歌唱などは、
実に聴きごたえがあり、はっきり言ってうまい!

■英語で歌うということ

メンバーそれぞれ、ミュージシャンとしてのキャリアがあったとはいえ、
バンドとしては未知数。今から30年以上も前ということを考えると、
デビュー作で、全編英語詞のアルバムを出すというのは、
おそらくそれなりの覚悟と勇気がいっただろう。

とくにマーケット的には英語詞というのは、ハンデになったはずだ。
楽曲に対して相当の自信がなければできないことだと思うし、
そこに彼らの音楽へのこだわり、アーチストとしての高い志を感じる。


「組曲: 新創世紀/Suite: Genesis」  

 


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『氷の世界』井上陽水 [音楽の聴き方]

kori_no_sekai.jpg

『氷の世界』井上陽水(1973年)

 1. あかずの踏切り
 2. はじまり
 3. 帰れない二人
 4. チエちゃん
 5. 帰れない二人
 6. 白い一日
 7. 自己嫌悪
 8. 心もよう
 9. 待ちぼうけ
10. 桜三月散歩道
11. Fun
12. 小春おばさん
13. おやすみ

-------------------------------------------------------------------------

当時はまだ珍しかった海外レコーディングに、
細野晴臣や、高中正義林立夫、松岡直也…といった豪華サポート陣の起用、
忌野清志郎小椋佳との共作、と話題性にも事欠かないが、

驚くのは、25歳の若者が、
こんな凄いアルバムを作ってしまったということ。

アタマから3曲(特に「帰れない二人」)と、タイトル曲「氷の世界」は、
いまの耳にも十分通用するポテンシャルを持った曲だ。

当時これらの曲が、どう捉えられていたか僕には分からないけど、
ある種の先取性というか、時代に魅入られたもの特有のオーラを感じる。
それは、何か確かな手応えを感じさせるような、確信に充ちたサウンドでもある。

1曲目と3曲目の間に、つなぎの曲を挿入し、
転調して3曲目へつなぐというアイディアが効いていて、
そうして始まるT-3「帰れない二人」は、よりドラマティックに、印象的に響く。
もちろん、曲そのものの完成度も高いのだけど。
この3曲を聴くだけでも価値があると思う。

しかし何といっても、タイトル曲「氷の世界」だ。
本人も自著「媚売る作家」の中で認めているように、
スティーヴィー・ワンダー「迷信」をヒントに作られた、
ファンキーでクールな曲。シュールな歌詞が好きだ。

「氷の世界」井上陽水

そういえば、1stアルバム収録の「傘がない」も、
グランド・ファンク・レイルロードのパクリと言っていいものだったけれど、

たとえば歌詞カードに載っているギターのコードを見ても、
Bbm7-5とか、Dmaj7とか、Edimとか、D/Cとか…
フォークではあまり見られないようなコードが目立ったり…

こうした洋楽的センス、ポップセンスが、
他のフォーク・シンガーと陽水を明確に分けるポイントの一つで、
今日まで彼が生き残っている理由なんだろうという気がする。

とはいえアルバムの大半は、時代を感じさせるような曲だったりするんだけど、
ただ、それが悪いという訳では決してない。
「白い一日」「心もよう」のような、典型的なマイナーフォーク調の曲も、
陽水の時代性を超越した、圧倒的な声で歌われると、じっくり聴けてしまう。

陽水の声は、今とほとんど変わらない(というのも凄い…)が、
今ほど嫌らしさもなく、純粋で野心的で、瑞々しさに溢れている。

このアルバムが日本初のミリオンセラーというのは、
何だかちょっと嬉しい気分だ。


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『生聞59分!!』憂歌団 [音楽の聴き方]

yukadan_live.jpg

『生聞59分!!』(1977年)

 1. マディ・ジャンプス・ワン
 2. イフ・アイ・ディドゥント・ラヴ・ユー
 3. 俺の村では、俺も人気者
 4. 10$の恋
 5. シカゴ・バウンド
 6. パチンコ~ランラン・ブルース
 7. ステイ・ウィズ・ユー・フォーエバー(君といつまでも)
 8. ローリン・アンド・ランブリン
 9. イン・ジ・イブニング
10. おそうじオバチャン
11. ひとり暮らし
12. 嫌んなった
13. イコマ(女町エレジー
14. 憂歌団のテーマ(嵐を呼ぶ男)

-------------------------------------------------------------------------

これ最高です。
個人的には、邦楽の中でベスト5には入る、お気に入りの1枚。
アコースティック・ブルースの、そしてライブ・アルバムの傑作。

「わ、わん、とぅ、すりぃ…わん、とぅ、すりぃ」と
マイクチェックを繰り返すボーカルの木村に、
「わん、とぅ、すりぃ、しか知らんのか!」と客席から野次が飛ぶ。
それでも「わん、とぅ、すりぃ…」と繰り返す木村に笑いが起こる。

こういうやりとりって、いかにも大阪的な感じがしていい。
そんな会場の親密な空気を伝える、オープニングから一転、

颯爽と、1曲目のインスト「マディ・ジャンプス・ワン」が始まる。
あいだに入る木村の掛け声のかっこいいこと!
こういう何気ない掛け声なんかを、かっこよく聞かせられる人って
あまりいない気がする。

2曲目は英語で歌う「イフ・アイ・ディドゥント・ラヴ・ユー」
僕は彼らが英語で歌うなんて想像もしてなかったから、これには意表をつかれた。
発音はあまり分からないけど…なんか外人っぽい。しかも黒人のおばちゃん!
非常に色気のあるボーカルがいい。

T-6「パチンコ~ランラン・ブルース」は、
血管が破れるんじゃないかというくらい凄いシャウト。
途中、構成を忘れたのか、「あれ?」だって(笑)。
で、演奏がずれたりするんだけど、それも愛嬌というか。
ハプニングというより、そういう演出なんじゃないかとさえ思ってしまう。

この曲と次の曲がアナログでいうA面のハイライトだろう。

→「パチンコ~ランラン・ブルース」憂歌団
http://www.youtube.com/watch?v=CL8W8VGWKwc

そのT-7 加山雄三「君といつまでも」のカヴァーが好きだ。
彼らの鉄板なのか、観客も待ってましたとばかりに盛り上がる。
二枚目にびしっと聴かせてくれるところ、ウケを狙うところ、
ネタとして完成されている気がする。

T-10「おそうじオバチャン」は、おそらくこの日一番のパフォーマンス。
スウィンギーな一体感が心地いい。



いや、それにしても歌がうまい。
うまい人は他にもいっぱいいるけど、
これほど情感豊かに聴かせられる人は、そうそういないんじゃないか。

勘太郎のギターも素晴らしい。
この人のフレージングはジャジィでおしゃれ。
「ひとり暮らし」のソロなんか、うっとりするような美しさ。
バッキングも、歌心があって、聴いてて飽きることがない。
これだけ弾けたら楽しいだろうなあ。

洋邦のカヴァーあり、インストあり、テーマあり、
かっこよく決めたかと思えば、笑わせてくれたり…とにかく飽きさせない。

また、冒頭のシーンに象徴されるように、
客とのダイレクトなやりとりまで、しっかり収められ、
まるでその場にいるような臨場感。

これぞライブ盤というライブ盤。
文句なしの傑作!


タグ:邦楽 憂歌団
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