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「ディア・ドクター」(2009) [映画の観方]

<監督・脚本> 西川美和
<出演> 笑福亭鶴瓶、瑛太、余貴美子
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人間ていうのは、矛盾し、誤解し、変化する生き物だ。
そのうえ嘘までつくのだから、始末に負えない。
だから簡単に相手のことを理解したつもりになんてならない方がいい。

この映画を観て、改めてそんなことを思った。

西川美和監督の「ディア・ドクター」
相変わらず人間の深いところをついた脚本が見事だ。
「ゆれる」ほどドロドロではないけど、トロっとしたあんかけのような…

最近の日本映画ってサラサラしたのが多いでしょ。
いや分からないけど…でも何かそんなイメージなんです。
それか、何か狙ったような、エキセントリックなものだったり。
だからあまり観たいと思うものがないんだけど、この監督さんだけは別。


過疎地の医療の実情を描いた社会派ドラマであるとか、
ある男の失踪にまつわるミステリー、といったテーマは表層的なもので、
西川はもっと人間の奥深くにあるものを、えぐり出そうとしているように見える。

彼はなぜ嘘をつくことになったのか?
そこに愛はあるのだろうか?
どうして彼らは騙されたのだろうか?
本物とは何だろうか?

鶴瓶の演技力には、少々疑問もあるが、
ときどきもの凄く自然な演技を見せていたし、
何よりミステリアスな(うさん臭いともいう)主人公役に、
善人にも偽善者にも見える鶴瓶は、ぴったりなように思えた。

真っ向から深遠なテーマを描きながら、
決して重苦しくなく、また野暮ったくもないのは、
西川が女性であること、あるいは監督としては若手であることと
無縁ではない気がする。

何気ないカットの中に、ときどきドキっとさせられるものがあって、
どう考えても大ヴェテランのおっさんのセンスではない、
女性ならではの視点や感性を感じる。
(でもそれは、彼女が女性であると既に知っているから、
そう思うのかもしれないが…)

音楽のセンスにしてもそうだ。
オープニングはブルース・ハープをフィーチャーしたアコースティック・ブルースだし、
研修医(瑛太)の乗った車から流れてきたのは、ファンク調の曲だ。

ちなみに音楽を担当しているのはモアリズム
誰?と思ったら、「ゆれる」でも音楽を担当していた、
カリフラワーズのヴォーカルを中心に結成されたバンドらしい。

「笑う花」モアリズム


「ゆれる」もエンディングがよかったが、今回も見事な着地を決めてくれた。
意外で、そして心あったまるラストがいい。


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walrus

ぷーちゃんさん、nice!ありがとうございます!
by walrus (2009-11-29 19:31) 

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