ストーカー、焼き魚、子犬 [53]
知り合いの女性にストーカーされる。
僕は必死に彼女をまこうとするのだが、
彼女は僕の行くところ行くところ、先回りして待ち伏せしている。
なぜ分かるのか?そして、どうしてそんなに早く移動できるのか??
さすがにここまでは追って来れないだろうと、ある崖をよじ登る。
しかし鬼のような形相で崖を這い登ってくる彼女。こ、恐えっ!
だが、女性にはやはり厳しかったようで、途中で足を滑らせ転落してしまう。
気の毒だが、まず助からない高さである。
案の定、彼女は亡くなったと知らされる。
知り合いだったので、一応、通夜に出ることにした。
ストーキングの件は誰も知らないだろうと思っていたのだが、
彼女の両親は、僕が彼女を妊娠させたあげくに捨て、
崖から突き落として殺したと思っているようだった。
勘弁して下さいよ、ほんとに。
完全に目が疑ってるじゃないですか。
「娘の顔を拝んでやって下さい」と言われ、焼き魚を出される。
嫌な予感がしたが、おそるおそる魚を裏返すと…、そこには彼女の痛々しい顔が。
ぐえ"ぇっ!!
僕は気味が悪くなり、慌ててその場を逃げ出した。
夢中になって自転車を漕いでいるうち、いつしか急な下り坂にさしかかっていた。
しかも未舗装で、大きな石がゴロゴロしており、かなり危険な坂だ。
転倒すれば大惨事になりかねない。
注意深く下りていると、何か、ハンドルを引っ張っるものが…
よく見るとハンドルにひもが結び付けられており、その先には子犬が繋がっていた。
その子犬が、ひもを引っ張って、自転車を倒そうとしていたのだ。
子犬は女が飼っていたものだ。主人の復讐というわけか。(そもそも濡れ衣なんだけど…)
僕は片手でハンドルを操りながら、片手でひもを外そうとしたが、うまくいかない。
仕方ないので、ひもを振り回し、子犬を地面に叩きつけて“ペシャンコ”にした。
(なぜそんな残酷なことが出来たのか自分でも分からないけど)
だがそのせいで、ひもがハンドルに絡まり、ブレーキが利かぬまま
猛烈なスピードで坂を突進していくハメになった。万事休す。
と、ここで目が醒めた。
なんとも嫌な夢だ。
しばらく、焼き魚は食えそうにない。
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